普段はメインでWindowsを使っていて、Linuxを試してみたいユーザーにオススメの方法です。
USBメモリーを使えば、Windows環境をまったくいじることなく、今話題のLinuxを試すことができます。
ただしパソコンが、USBメモリーからの起動(ブート)に対応している必要があります。
2006年以降のパソコンなら、大体大丈夫です。それ以前のパソコンは、BIOSを確認してみてください。
通常はLiveCDを作成してから、USBメモリーにインストールします。
でも最近は、Windowsパソコン上で、直接USBメモリーにLinuxをインストールできるソフトウェアが増えてきました。しかも無料で利用できます。
そのためLinux環境の構築が、すごく簡単になりました。
今ではLiveCDを作成するより、USBメモリーに直接インストールするほうが、楽なくらいです。
方法はいくつかありますが、今回は無料ソフトウェアの「UnetBootin」を使った方法を紹介します。
UnetBootinを使うと、人気のUbuntuをはじめ、Debian、Fedora、CentOSなど、様々なLinux OSを簡単にインストールすることができます。またFreeBSD(UNIX互換OS)などもあります。
使い方も簡単で、まずOSの種類を選択し、次にバージョンを選択するだけです。あとはボタン一つで、全て自動的にUSBメモリーにインストールしてくれます。
では具体的な方法を説明します。
【1】事前にUSBメモリーを準備します。4GBもあれば十分です。
・USBメモリーを探す
【2】「UnetBootin」のWebサイトにアクセスします。
・UnetBootin
【3】UnetBootinのWindows版をダウンロードします。
*Windowsユーザーの場合です。
【4】UnetBootinは、実行ファイル(.exe形式)になっているため、すぐに実行できます。
解凍やインストールは不要です。ダブルクリックして実行してください。
【5】セキュリティの警告が表示される場合は、「実行」をクリックしてください。
【6】UnetBootinが起動しました。
この時、一番左上の「Distribution」が、チェックされていることを確認してください。
【7】OSの種類を選択するため、左側のコンボボックスをクリックします。
【8】いろんなLinuxディストリビューションが表示されています。
人気のUbuntuをはじめ、Puppy Linux、Fedoraなど、いろんなディストリビューションが選択できます。
【9】今回は「Ubuntu」を選択します。右側のコンボボックスで、OSのバージョンが選択できます。
【10】USBメモリーをパソコンに接続してください。
【11】Typeは「USB Drive」を選択し、Driveは接続したUSBメモリーを指定します。
Driveは、パソコンのハードディスクの構成や、DVD-ROM、接続しているUSBメモリーの数などによって変わります。
インストールするUSBメモリーを間違えないで指定してください。
【12】「OK」ボタンをクリックすると、USBメモリーへのインストールが開始します。
大きなファイルをWebから取得してインストールするには、かなり時間がかかるので、気長に待ちましょう。
USBメモリーへのインストールが完了したら、Linuxを起動してみましょう。
*PCがUSBメモリーからの起動に対応している必要があります。
【13】パソコンを再起動して、USBメモリーから起動するように設定します。
Windowsが起動する前に、BIOSの「SETUP」の画面を表示します。
パソコンによって違いますが、「F2キー」などを押すと表示されます。パソコンの電源を入れた時に、一瞬画面にどのキーを押すか、表示されるはずです。
そしてBOOTの項目で、USBメモリーの優先順位を、ハードディスクより先に設定しておけば、次回からはこの操作を行なわなくても、すぐに起動できます。
BIOSの変更をSAVE(保存)して、EXIT(出口)します。
【14】Linuxが起動したら、選択画面が表示されるので、通常の起動を選びます。
これはLinuxディストリビューションによって、画面が違います。
** 決してハードディスクにインストールしないように、注意してください。 **
以上でLinuxが使えるようになります。
USBメモリーは、何度でも書き換えが可能です。
USBメモリーが1本あれば、UnetBootinを使って、いろんなLinuxディストリビューションをインストールし、試すことが出来ます。
ちなみに私は、4GBのUSBメモリーを2本用意して、時々入れ替えて試しています。USBメモリーを買うのにかかった費用は、2,000円以下です。
軽量タイプのLinuxディストリビューションなら、1GBもあれば十分です。もっと少なくても可能なので、使わなくなった古いUSBメモリーがあれば、試してみるといいでしょう。
自分に合ったLinuxディストリビューションを探してみるのも楽しいですよ。
ユーザーがOSを選べることが、Linuxの醍醐味の一つでもあります。
【補足】
UnetBootinで、OSの最新バージョンが表示されない時は、どうしたらいいのでしょうか?
そんな時は、あらかじめ各種LinuxディストリビューションのWebサイトで、イメージファイル(.iso形式)をダウンロードして入手しておきます。
あとは、UnetBootinの「Diskimage」機能を使えば、USBメモリーへインストールすることができます。
先にイメージファイルを取得しておけば、インストールが短時間で済むメリットもあります。
最初に説明した全自動で行なう方法だと、時間がかかるので、イメージファイルの取得とUSBメモリーへのインストールを分けたい時にも便利です。
時間がある時に、イメージファイルをダウンロードしておけば、インストール自体は、それほど時間がかかりません。
それにイメージファイルさえあれば、USBメモリーのLinuxディストリビューションを、簡単に入れ替えることができるので、便利です。